俺専用メモ:「マッハの戦い」

カトキハジメ師曰く;


『表現方法っていうのは、ちょっとづつ変わっていくよね。それは小手先なのかもしれないし、モチベーションなのかもしれない。
同じデザイナーでも10年前にデザインした時の狙い目と現在では違うはず。その結果、表現方法がまるで変わる場合もある。


 その一つがプロポーションに関わることで、大河原さんが「昔に比べてMSがゴツくて、手足が長くて、スマートになっている」と言ってたんだけど、確かに'80年代前半からスリム化の傾向はあったのかもしれない。



 最近「バーチャロン」のデザインをした時、むしろその一本調子の「手足を長く、顔小さく」っていう流れに逆らうようなことをやってみた。
手足を果てしなく長くしていくことはできないし、長い手足で肩をいからせてやれば、カッコよくなるのは当たり前で、安易なんじゃないかという疑問は昔からあった。ここにきて過去のMSをリファインする機会が増えて、元々のプロポーションをスマートにせずにかっこ良くすることを心がけています。



 メカに詳しくない人が見たら、あんまり差がわからない仕事。マッハの闘いと呼ぶんですが  <<わかる人にしかわからない趣き>>  というのにチャレンジしていきたい。



 「エンドレスワルツ」でやったリファインは逆に、相当ぼんやりした人にも違いがわかるようにしなければいけなかった。そうやって、わかりやすくリファインする仕事っていうのは世の中にも多いんだけど、リファインという世にも珍しい仕事としては、さり気なくこっそりと、ちょっとした事でカッコよくしたい。
 ちょっとしたことって全然ちょっとしてないんだけど。スキルが高くなくちゃできないんだけどね。」(以下略)』



 出典:アスキーG20」 vol.1 (1998/09)