カトキ先生の『お布施』発言
(略)まずドムの発売が延びた頃から気になってたんだけど、「**を出すくらいなら##を先に出せ!」なんて言ってる人がよくいますよね。
でも、欲しいもの、それほどでもないもの、いろいろと出るところが豊かなガンプラライフじゃないですか?自分が欲しいモノさえ早急にキット化されればそれでよしってのは気が短すぎじゃないかと思うんですけど、どうですか?
「こんなマイナー機を!?」みたいなのが混ざって出るのが面白いんだと思いますよ。「**なんか出すヒマああったら」みたいなことを言うのは単にみんなのガンプラブームを短くするだけだと思うんですよ。
中にはそういった自分の不満を「買わない」という行為によって表そうという人もいるようですが、その行為がどのように解釈されるかは結構わからないんですよ。
たとえば初代ガンダムファンにとってはなじみが薄いといわれるザクIII改に対してそういった行動に出たとしましょう。そうするとたとえばバンダイのエラい人が「1/144だと1500円は高いから売れないんだ」とか「ZZモノは売れないのか」って思っちゃうかもしれないわけです。
それが、回りまわってジオが出ないとか、高額なジオングが出ないとかそういうことにつながるかもしれない。僕はそういう風になることを心配しています。
だからみんな了見の狭いことを言わずにですね、お布施のつもりでガンプラを買えばガンプラの勢いも伸びるんじゃないでしょうかねぇ。
もちろん限られたお小遣いの中でやりくりしてる人は無理することはないけど、「スタイルとして買わない」ってのはもう大人なんだからどうかと思うなぁ。なんかあまりよい結果につながりそうにないし。
こんなことを言ってると、「実はガンプラは売れてないんじゃないか」とかかんぐる人がいるかもしれないけど逆です。ザクIII改も売れているそうです。
シリーズは絶好調だけどなんとなくファンに誤解があるような気がしてね。
今のブームはある意味奇跡ですよ。ガンプラファンへの神様のプレゼントじゃないかと思う。
僕は今のリニューアルの機運が続いてひとつでも多くのMSがラインナップされて欲しいと思います。
みんなもう随分長い間ガンプラを作り続けてきたんだし、もう少し気を長くして待とうよって感じです。
最近はファンもバンダイさんも言ってみれば「ガンダム共同体」なんじゃないかって気がしてるんですよね。
(後略)
『月刊モデルグラフィックス No.186 1999年7月』